LandEscape – Somewhere in the Maroc

LandEscape - At somewhere in Maroc

現生の人々に送るサウンドスケープ

フィールドレコーディングされた音を流しながら、私たちを取り巻く外界のリズムを表現するべく、太陽惑星の公転周期に合わせてシンセサイザーを鳴らす。 編集されている自然音はモロッコ内の2 つの町、それぞれ昼と夜に録った音をコラージュし再構築がされている。1 日5 回、礼拝の呼びかけが町中から流れ、人々が挨拶を交わしながらそれぞれ中へと入っていく。
この場所に息づくコミュニティ、外から見る事ができない生活のリズム、環境音も周期的な音階も、自然からの贈り物だと考えると、この音を通して、普段忘れがちな地球や宇宙のリズムに近づけるのではないかと思えてくる。

国内レーベル「YonaYona Records」が送る「LandEscape」、2タイトル目となる「Somewhere in the Maroc」。
本タイトル、#4 はモロッコアトラス山脈麓にある、とあるリァドの中庭でフィールド録音した音を元に、#32 は標高1600m ほどの山に張り付くように旧市街が並ぶ、イスラム生活が営まれるある町の、深夜3:00 過ぎに町中にこだまするアザーンを中心に、それぞれ録音物のそれぞれに対し太陽系惑星の公転比率に合わせて編集再構築をおこなった、「リコンストラクションサウンドスケープ」です。

LandEscape at Khristinia

フィールドレコーディングで送る「現代のアンビエント」

—Land Escape at Khristinia—

クリスチャニアはデンマークのコペンハーゲンにある、元はデンマーク軍の施設として利用していた地区だった。1971年に軍が移転すると、そこに移民が「犬を鎖で繋いではならない」「落書き自由」など6つの独自のルールを作って暮らし始め、自治会を作って運営するなど首都にありながらカウンターカルチャーをエリアごと体現する最前線となる。住人はおよそ900人ほどで、今は新たな家や住民を受け入れることはしていないが、コペンハーゲンに住む住民はクリスチャニアを徹底的に排除する訳ではなく、見事な共存を保持し続けている。保守的な国で知られるデンマークの首都の真ん中にそのようなエリアが存在するというは、ヨーロッパの価値観の違う人への許容を垣間みることができ、今の日本にない文化の一つであったりもする。

いつまであるのだろうかわからないこの場所を200時間を超えるフィールドレコーディングの中から、クリスチャニアを表現する20分のサウンドスケープ。
クリスチャニアはただのスクワットではない、紛争で故郷を追われた移民からアーティスト、グラファーまで、世の中のマイノリティを魅了して止まない場所なのである。

YONTR-001 Include 1 tracks – ¥1,080(tax include)